衛生的な口の中を扱う歯科医院で、"衛生的な手袋"は欠かせない必須アイテムです。歯科医院はもちろんのこと、その他の医療の現場でも使用される手袋にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴があります。
歯医者での検診や治療などの細かい作業に適しているゴム製の手袋ですが、「ラテックス」や「ニトリル」といった素材でカテゴリー分けができます。その中でも今回は「ラテックスグローブ」に注目し、ラテックスグローブのメリットやデメリット、アレルギーに対する対策などを解説します。ぜひ最後までご覧ください。

著者紹介
歯科医院・病院用衛生用品を1つから購入できる通販サイト「HAPPY HANDS(ハッピーハンズ)」です。歯科医院などで使用される使い捨て手袋やマスク、その他の衛生用品をさまざま販売しています。
ハッピーハンズのラテックスグローブは、ラテックスアレルギーの原因となる「プロテイン」を極力抑える仕様として【プロテイン含有量を50μg以下】という条件でグローブを製造しています。
ラテックスとは?

ラテックスとは、ゴムのコロイド状水分散物をいいます。ゴムの木を傷つけると、乳液や界面活性剤で乳化させたモノマーを重合して得られる液が出てきます。これが、ラテックスです。
ラテックスグローブの原料となる天然ゴムは、主にタイやマレーシア、インドネシアなどの東南アジアで栽培されています。

栽培されている1本のゴムの木からどのくらいのグローブが作られるがご存じですか?実は1本のゴムの木からラテックスグローブ(約2枚分)のゴムの樹液が取れます。ちなみにこの樹液は3日に1度だけ採取することができ、とても貴重です。
ラテックスグローブの種類
ラテックスグローブには、加工の違いによって2種類の異なる特性があります。1つは、手袋を塩素液に浸して塩素処理したもの、もう1つは手袋の内側をポリマー溶液に浸してポリマーの層を作ったポリマーコーティング処理です。
塩素処理したラテックスグローブは、乾いた感触になり着脱がスムーズになります。また、ポリマーコーティング処理したラテックスグローブは、塩素加工に比べるとしっとりしたテクスチャーに仕上がります。
ラテックスとゴムの違い
ラテックスには、次の3つの意味があります。
- 樹液や界面活性剤で乳化させたモノマーを重合して得られるゴムのコロイド状水分散物
- ゴムの木を原料として作られた天然ゴム
- ラテックスを原料とした薄い膜の素材
広い意味でいえば、ラテックスもゴムの一種ですが、ゴムと呼ばれるものには化学材料を原料にして作られる合成ゴムを指すことも少なくありません。
そのため、ラテックスが原料のゴムを「天然ゴム」、それ以外を「合成ゴム」または「人工ゴム」と呼ぶ場合もあります。
歯科医院などの現場で使用できる医療用手袋の種類

使い捨ての手袋は数多く販売されていますが、歯科医師などが使用できるような医療用の手袋として用いられるのは大きく分けて2つです。それぞれの原料や特徴は以下の通りです。
ラテックス |
ニトリル |
|
原料 |
天然ゴム |
合成ゴム |
強度 |
丈夫。長時間の作業が可能 |
丈夫。長時間の作業が可能 |
防護効果 |
油や薬品への防護効果が低め |
油、薬品、洗剤に強い |
性能 |
伸縮性に優れて、手指にフィットするが、ラテックスアレルギーのリスクがある |
素手のようにフィットして細かい作業に適している |
よく使われる環境 |
手術、検査、検診 |
手術、検査、検診 |
ラテックスグローブとニトリルグローブの違い
ラテックスグローブとニトリルグローブの違いは原料です。ラテックスグローブは、天然ゴムから作られていますが、ニトリルグローブは合成ゴムが原料です。どちらも歯科医院をはじめとする医療の現場や食品業界などさまざまな分野で使用されている手袋です。
また、ニトリル・ラテックスグローブには、手袋の内側にトウモロコシのでんぷんをつけた"パウダーあり"のタイプと手袋の内側を加工した"パウダーなし"の2つのタイプがあります。
ただし、内側にパウダーを付着させた手袋は、パウダーに含まれる成分が人体に有害であることがわかったため、2016年から厚生労働省はパウダーフリーを推奨するようになりました。パウダーを使用した手袋の使用には、十分な注意が必要です。
ハッピーハンズでは、2016年のこの発表以降、パウダーなしの手袋のみ販売しています。
ラテックスグローブのメリット

ラテックスグローブのメリットは、次のようなものがあります。
- 温度変化の影響が少ない
- 伸縮性が高い
- 耐久性に優れている
それぞれ詳しく解説します。
温度変化の影響が少ない
ラテックスグローブは、気温や水温などの温度変化による影響を受けにくい点がメリットです。
そのため、低温の状況でもごわつくことなく、柔らかい状態を保てるので作業性を維持でき、作業者が疲れにくいという特徴があります。
伸縮性が高い
ラテックスグローブは、良質の天然ゴムで作られているため伸縮性に富んでおり、手先に馴染んでぴったりフィットします。
違和感なく手指を動かせるので、長時間の作業や精密な作業を行うときにも便利です。また、グリップ力もあるので、滑りにくく安全に作業を行えます。グリップなしのラテックスグローブを使用されたい場合は、“二重塩素処理”済みのグローブを選定ください。
耐久性に優れている
ラテックスグローブは、他の素材の手袋と比較して耐久性に優れています。たとえば、ポリ塩化ビニルの手袋は劣化しにくいですが、破損には弱い特徴があります。
ラテックスグローブの方が強度が高いため、長時間の作業にも耐えられるでしょう。
ラテックスグローブはSDGsにもよい

ラテックスを採取できるゴムの樹の栽培は、SDGsの観点からも良いとされています。
成長したゴムの木林は、1年間で1ヘクタールあたり250トンの二酸化炭素を吸収するため、地球温暖化に貢献するだけではなく、樹齢25年~30年ほど経ち樹液を生産しなくなったゴムの樹は、伐採された後ラバーウッド材として再利用されます。(1)
また、ゴムの樹を伐採した土地には、新たなゴムの木が植えられ育てられます。ラテックスは、天然の植物から取れたもので最後は自然帰すことが可能なエコ素材といえるでしょう。

このような観点からインドネシアのある工場では、ニトリルをやめてラテックスに力をいれているところもあります。
ラテックスグローブのデメリット
ラテックスグローブには、数多くのメリットがありますが、デメリットがないわけではありません。デメリットについてもご紹介します。
耐薬品性が劣る
ラテックスグローブは、ニトリルやポリエチレンなどの手袋と比較すると、耐薬品性や耐油性に劣ります。そのため、薬品や油を長時間扱う際には、ラテックスグローブは避けた方が無難でしょう。
また、天然ゴムから作られているので、ゴム特有の匂いが気になるという方もいます。
アレルギー反応が出る場合も
天然ゴムを使ったラテックスが皮膚や粘膜に付着することによって、アレルギー反応が出る場合があります。これは、人間の体が天然ゴムに含まれるたんぱく質に対して抗体を作ることで起こります。
具体的には、天然ゴム製品に残っているたんぱく質が皮膚についたり汗や水分などによって製品から溶け出して、皮膚や粘膜に作用して反応します。
また、手の滑りをよくするために手袋の内側にパウダーが塗られている手袋では、天然ゴムだけでなく、多くのラテックスアレルゲンを吸着したパウダーがゴム手袋を外すときに飛散し、それ吸い込むことで鼻の粘膜などから作用するケースもあります。
ラテックスアレルギーの症状は、かゆみ、赤み、蕁麻疹などがありますが、まれに血圧低下や意識障害などの重篤なアナフィラキシーショックを引き起こすこともあるため注意が必要です。(2)
ラテックスアレルギーの症状は手袋以外にも特定の野菜や果物を食べたときに口の中に蕁麻疹じんましんが発生したりすることもあります。
ラテックスアレルギーは、一度起こってしまうと体内に抗体ができてしまうため、一生の対策が必要になるため注意しましょう。
ラテックスグローブでアレルギーの予防と対応策
ラテックスグローブを使用してアレルギー反応が出た場合の対応策をご紹介します。
アトピーなど皮膚の疾患がある方や、免疫が落ちている方は、普段からラテックスグローブをつけていても、突然アレルギー反応が起こる場合があるため、歯科医院などのスタッフは事前に予防策や対応策を知っておいた方が安心でしょう。
アレルギー予防
まずは、自分がアレルギーを発症しやすいタイプかどうかを判断しましょう。歯科医師や歯科助手のように仕事上、常に天然ゴム製品や天然ゴム手袋を使用する方は、ラテックスアレルギーが起こりやすいといえます。
また、アトピー性皮膚炎もしくはアトピーの体質を持つ方もラテックスアレルギーを発症するリスクが高いです。さらに、ラテックスは、バナナやアボカド、キウイフルーツ、トマト、クリ、パパイア、ジャガイモなどの植物性食品のアレルギーと関連性があることがわかっています。これらの食物のアレルギーを持つ方も注意が必要です。
歯科医院などの医療用具には天然ゴム成分が含まれているかどうかの表示が義務づけられています。それらを参考に、ラテックスアレルギーが起こりやすいタイプの方は、なるべく天然ゴム成分に触れないよう心がけましょう。
ラテックスアレルギーの原因である、たんぱく質の含有量が低いパウダーフリーラテックス手袋や天然ゴム成分を含まないラテックスフリーの製品を使うのもよいでしょう。
アレルギー反応が起こったときの対策
もしラテックスアレルギーを発症した場合は、ラテックスを含む天然ゴム製品の使用を避けましょう。ただし、アレルギーの原因は複数存在するため、グローブアレルギー=ラテックスアレルギーとは限りません。症状から原因を見極めて、適切なグローブを選んで試してみるといいでしょう。
- グローブに付着しているパウダーによるアレルギー
- 天然ゴムに含まれるラッテクスによるアレルギー
- 化学薬品によるアレルギー
塩素処理加工・ポリマー加工を施したパウダーなしの商品をご用意しております。そちらをお試しください。
ニトリル(人工ゴム)素材の商品をご用意しております。そちらをお試しください。
グローブの製造過程では、塩素処理など複数の化学薬品を使用した工程があります。化学薬品によるアレルギーの場合は、様々な原因が考えられますので、その際は、専門医にご相談されることをお勧めします。
自分がラテックスアレルギーであることを示すことができるアレルギー情報カードを持ち歩くことも有効なので覚えておきましょう。
歯科医院で使用する手袋をお探しならハッピーハンズにお任せ

ラテックスグローブは天然ゴムから作られた手袋で、温度変化の影響が少なかったり、伸縮性や耐久性に優れているなどの多くのメリットがあるため、歯科医院だけでなく、さまざまな医療の現場で使われています。
天然のゴムの樹から作られるので、地球温暖化や地球環境に貢献できるエコな素材です。歯科医師を含めた医療従事者を守るために必要な、持続可能な手袋といえるでしょう。ただし、人によってはラテックスアレルギーが起こる場合があるため、アレルギー反応が出た場合は、速やかにラテックスグローブの使用を中止し、対策を行ってください。
ハッピーハンズのラテックスグローブは、ラテックスアレルギーの原因となる「プロテイン」を極力抑える仕様として【プロテイン含有量を50μg以下】という条件でグローブを製造しています。
その他にもニトリルやビニール、ポリエチレンなど、さまざまな種類の手袋を揃えています。自分に最適なグローブをお探しの方は、個別にサンプル注文も出来ますので、ぜひご覧になられてみてください。
グローブ商品一覧の上部にて「ラテックス」「ニトリル」など商品を絞って調べられるリンクがありますので、ぜひご活用ください。
また、サイト内ではグローブの1ページ目の写真にて素材の記載があります。写真左上に四角いアイコンで「ラテックス(紫のアイコン)」「ニトリル(グリーンのアイコン)」と表記しておりますのでご参考になさってください。